2019年8月30日金曜日

【徳丸】 地域を盛り上げ、地域文化を次世代へとつなぐ

「徳丸一座」祭りでむら芝居を披露!


徳丸むら芝居実行委員会「徳丸一座」は毎年8月2日に、松前町徳丸の高忍日賣(たかおしひめ)神社で江戸時代から続く「虫干祭(むしぼしさい)」で奉納むら芝居を披露している。同町や地域住民と協力して公演し、今年で24回目。地域おこしや地域の文化継承に一役買っている。

虫干祭とは、神様の御衣や調度品などを虫干しするとともに、心の罪や汚れといった「ムシ」を干して、祓い清める祭りだ。
 同一座は、大正時代から祭りでむら芝居を演じてきたが、昭和47年から途絶えていた。むら芝居を復活させ、地域文化を守り次世代につなぐほか、地域を盛り上げようと平成7年に再旗揚げした。現在は、座長の八城秀樹さんを筆頭に同町徳丸出身の10~60代の男女33人の団員で構成する。祭りに向け、2ヶ月前から稽古を重ねてきた。

当日は、神社境内の特設芝居小屋で人情時代劇「一本刀土俵入り」を全3幕90分上演した。祭りの目玉であるむら芝居を観ようと、多くの地域住民でにぎわった。
「一本刀土俵入り」は、劇作家であり小説家でもある長谷川伸さん原作。相撲の親方に見放され一文無しとなった下級力士・駒形(こまがた)の茂兵衛(もへえ)に、酌婦(しゃくふ)お蔦(つた)は櫛(くし)やかんざし、金を与えて励ます。 10年後、お蔦は夫が賭場でいかさまをして追われるが、ヤクザとなった茂兵衛が恩返しに助けるという物語だ。
同委員会の委員長である徳田唯純(ただずみ)さんは「むら芝居を楽しみにしてくれている人がいる。地域が一丸となって祭りを盛り上げ、今後も続けていく」と意気込んだ。
 祭りは他にも、神事が執り行われたほか、茅(ち)の輪くぐりやヒナ形のお祓い、ジュースやかき氷などの露店、地域住民によるバンド演奏や日本舞踊、カラオケなどの余興があった。

虫干祭で人情時代劇「一本刀土俵入り」を演じる徳丸一座


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