2019年10月7日月曜日

【トマト部会】 ミストで夏場適温へ

トマトのハウスに「細霧冷房システム」導入


○久久万高原トマト部会の一部の生産者は今年度、夏場のハウス内の高温による生育不良を防ぐため、頭上からミスト状の水を散布する「細霧冷房システム」を試験導入し、手応えを感じている。栽培適温の25~30度に近づけることで裂果などが少なくなり、労力軽減にもつながっている。JA松山市は夏場の高温を考慮し、部会での導入を検討する。

 夏場になるとハウス内は昼間40度を超えるほど高温になり、着花不良や肥大不足、裂果などが発生し、収量や品質が低下してしまう。対策として現在、生産者は自走式などの機械で水を散布し、温度を下げている。
同システムは、畝の頭上に配管を通し、2㍍四方にミスト状の水を散布できるノズルを設置し、設定した気温や時間になると自動で稼働し、ハウス内の温度を下げる。気温が上昇し始める梅雨明け後から8月末にかけて使う。

 今年から同システムを導入した畑野川地区の西岡忠彦さん(58)は、ハウス6棟全てに、1.5㍍おきに4口のノズルをおよそ540個設置する。30分ごとに30秒稼働させ、計100Lを散布。天候に合わせて、1日10~20回行う。
西岡さんはこれまで、タンク付き防除機で散水していたが、降雨後の日照りによるしおれや病気、裂果、着果不良が発生していた。今年はいずれも発生が少なく、9月に入ってからの10日間で、昨年より3倍近い量を収穫できた。「機械での散布は体力的にきつく、時間がかかっていた。細霧冷房システムは温度を下げ、湿度も保て、他の管理作業もできる」と手応えを感じる。

 ただ、ポンプや配管、ノズルを設置すると、10㌃当たりおよそ150万円(税込)の費用がかかることが課題。当JAは「久万高原町と連携して将来的には半額を助成し、生産者の負担を軽減していきたい」と話す。



ミスト状の水を散布し、トマトのハウス内の温度を下げる「細霧冷房システム」

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